社内DXの起点は、総務が握っている

社内DXの起点は、総務が握っている

紙・手作業・属人化──その“最後の砦”を変えられるのは、あなたかもしれない。

企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)というと、営業のCRM化やマーケティングのMA導入、製造現場のIoT化などが取り沙汰されがちです。

しかし、多くの企業の中で、実は最もアナログな業務が集中している部門があります。
それが、総務部門です。

■ 総務の“アナログ残存領域”とは?

たとえば、以下のような業務がまだ紙・口頭・メールベースで運用されていないでしょうか?

  • 備品の貸出管理(PC、プロジェクター、ルーター等)
  • 名刺の発注・配布管理
  • 社内行事・防災備品・社有車の予約
  • 入退社に伴う備品・座席・アカウント整理
  • 郵送物の取りまとめや物理書類の配布

「必要だけど仕組み化されていない業務」の多くが、総務の仕事として埋もれており、日々の小さな手間が業務負荷として積み重なっているのです。

■ DX=高機能なシステム導入ではない

総務領域のDXというと、つい「新しいツール導入」や「RPAでの自動化」を思い浮かべるかもしれません。
しかし、本質はもっとシンプルです。

「人が都度判断して対応していたこと」を、仕組みとして再現できるようにすること。

たとえば:

  • Excel管理だった貸出台帳を、バーコード+クラウド記録に変える
  • 名刺発注をGoogleフォームとテンプレートで統一・自動転記する
  • 社有車の予約をGoogleカレンダー+アクセス制限で可視化する

大切なのは、大掛かりなシステムでなくても、現場の負担を減らし、運用ルールを仕組みで支えることです。

■ 総務主導のDXがもたらす3つの効果

  1. 業務の属人化が解消される
     担当者の異動や退職があっても、“仕組み”があれば回ります。
     「誰が何を持ってる?」「このルール、誰が決めたの?」といった不明確さが消えます。 
  2. “見えないコスト”が見える化される
     貸出忘れ、返却漏れ、二重購入など、気づかれない無駄が減少。
     備品の使用履歴や稼働率のデータをもとに、コスト最適化が可能になります。 
  3. 社員の“当たり前”が変わる
     使いやすく返しやすい仕組みは、社員の行動を変えます。
     「貸して終わり」ではなく、「共有資産として大事に使う」文化が生まれるのです。 

■ 総務こそ、社内DXの“文化変革エンジン”

総務部門は、ほぼすべての部署と関わる立場にあります。
備品管理や施設利用など、**「全社員に影響する小さな仕組み」**を変える力を持っています。

たとえば、

  • 備品の貸出をWeb化したことで、営業部門が使いたい時にすぐ借りられるようになった
  • 社有車の予約システム化で、使い忘れやダブルブッキングがなくなった
  • 名刺発注フローをテンプレート化したことで、印刷ミス・遅延がゼロになった

こうした“小さな成功体験”が、社内に「DXって意外と身近で簡単かもしれない」という空気を生みます。

これは、単なる効率化ではありません。
企業文化のアップデートにつながる大きな一歩です。

■ 最後に──“縁の下”から“推進役”へ

DXと聞くと、どこか遠くのプロジェクトに感じていたかもしれません。
でも実は、あなたのデスクの上、メールの中、日々の会話のなかにこそ、変革の芽があります。

誰よりも現場を知る総務こそ、DXの現実解を描ける存在です。

地味だけど、なくてはならない。
そんな総務業務にこそ、変える力がある。

その最初の一歩は、「あれ?これ、もっと楽にできるんじゃない?」という気づきから始まります。

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