インバウンド観光客はなぜレンタルを好むのか?

インバウンド観光客はなぜレンタルを好むのか?

“荷物を持たずに旅を楽しむ”という新しい自由

近年、日本を訪れるインバウンド観光客のあいだで、レンタルサービスの利用が急増しています。スノーボードやスーツケース、ベビーカーやWi-Fiルーターまで、必要なものを「買う」のではなく「借りる」ことで、旅の自由度は大きく広がっています。

なぜいま、レンタルという選択肢が観光客に支持されているのでしょうか?
その背景には、旅のスタイルの変化、荷物に対する価値観の転換、そして“体験”を重視する文化的な潮流があります。

荷物を最小限にして旅を最大化する

多くのインバウンド観光客にとって、日本旅行は「限られた日程のなかで、いかに多くの場所や体験を楽しめるか」が大きな関心ごとです。東京、京都、大阪、そして北海道や沖縄など、行きたい場所は尽きません。

そのなかで、「身軽であること」=旅の自由度になります。特に以下のような傾向が見られます:

  • スキーやスノーボードなどの大型ギアを航空機で持ち込むのは高額で手間
  • 日本滞在中に子連れで移動するなら、ベビーカーを現地調達したい
  • 荷物を最小限にして、ショッピングやアウトドア体験を最大化したい

このようなニーズに対して、必要な時だけ“借りる”という選択肢が合理的にフィットしているのです。

「使い捨て」から「循環」への価値観の変化

とりわけ欧米の観光客を中心に、「モノを所有しない暮らし」や「サステナブルな選択」への関心が高まっています。

  • 短期間しか使わないものを“買う”のではなく、共有して使う
  • 旅先の地域経済に貢献しつつ、環境負荷も軽減できる
  • “モノ消費”より“体験消費”を重視する傾向

こうした価値観の変化も、レンタルという行動を心理的に後押ししています。

特に日本国内では、清潔で丁寧なサービスが提供されるため、「中古を使うこと」に対する抵抗も少ないのが特徴です。

コミュニケーションが信頼をつくる

運営者側として最も心配されがちなのは、「壊されるのでは?」「返却されないのでは?」という懸念です。
しかし私たちの現場経験では、むしろ逆でした。

丁寧なコミュニケーションや、利用前後の明確な案内、LINEなどを通じた柔軟な対応によって、多くの観光客はモノを驚くほど丁寧に扱ってくれました。

「自分が大切にされた」と感じると、人はモノを大切に扱う。
これは、ShareEaseのような人とモノの信頼関係を軸とした世界観に通じる現象です。

「借りる」ことへの不安は、サービスの質で越えられる

  • どこで受け取れるか
  • 清潔かどうか
  • トラブル時に対応してもらえるか

こうした点への不安を取り除くことが、リピート率や口コミ評価に直結します。
シンプルに見えて、高いホスピタリティとテクノロジーの融合が、インバウンド向けレンタル成功の鍵なのです。

おわりに:レンタルは「旅の体験」そのものになる

レンタルは、単にモノを貸し出す行為ではありません。
観光客にとっては、「荷物が少ない」というだけで旅の体験は一段上のものになります

「持ち込まなくてよかった」
「必要なときに、必要な場所で受け取れた」
「返却がスムーズで、次の目的地にすぐ向かえた」

そうした体験が、ブランドの信頼となり、国を越えた“推し”になります。
インバウンド観光の本質は、“日本を楽しみ尽くす”こと。
その裏側で、レンタルは静かに、しかし確実に旅を支えています。

 

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