「買われた後」を可視化することが、ブランドの未来を変えていく。
マーケターにとって、ユーザーが「買う前」に何を考え、どう行動するかを把握することは当たり前になりました。
しかし──
買った後、そのモノがどう使われ、どんな体験を生んでいるかを知る手段は、これまでほとんどありませんでした。
ところが、レンタルビジネスが広がる中で、“使われ方”のデータが企業に蓄積されはじめています。
購入とは違い、貸し出しと返却を繰り返す中で、「誰が」「どこで」「どれくらいの期間」「どんな組み合わせで」利用しているかが見えるようになってきたのです。
この“モノの使われ方”のデータこそが、今後のブランド体験や商品開発、CRMのアップデートに不可欠なヒントになると、多くのマーケティング担当者が気づきはじめています。
使われているからこそ、見えてくる“生活文脈”
たとえば、キャンプ用品のレンタルを行っている当社(株式会社TENT)では、以下のようなデータが蓄積されています:
- 利用地域(例:都市近郊、山間部、海辺)
- レンタル期間(日帰り、1泊2日、1週間)
- 組み合わせ(例:テント+焚火台/シュラフのみ)
- 利用者層(ファミリー/単身/訪日外国人)
このような情報は、購入後にはなかなか取得できないものであり、リアルな使用文脈を知る貴重なインサイトとなります。
結果として、
- 「週末利用が多いから、週末限定プランを打とう」
- 「都心ユーザーにはミニマル構成が人気だ」
- 「インバウンドはサイズ感より軽さを重視している」
など、体験設計や訴求軸そのものの最適化が可能になるのです。
「売れている」だけでは分からない“価値のありか”
従来のマーケティングは、「どの色が売れているか」「どのサイズがよく出るか」といった販売数ベースの情報が中心でした。
しかし、レンタルでは、
- 借りられた頻度
- 同時に借りられた他アイテム
- 返却時の状態や満足度
- SNSやアンケートによる定性フィードバック
といった、**体験の総体としての“利用価値”**が見えるようになります。
たとえば、販売では不人気だったカラーが、“映える”という理由でレンタルでは大人気という事例も。
売れ筋と使われ筋がズレることもある──これを把握できるのは、レンタルならではのメリットです。
レンタルデータがマーケ施策に貢献する3つの領域
1. プロモーションの切り口設計
「この組み合わせでの利用が多い」→セット販売の企画
「旅行中の利用が多い」→空港連携・旅行サービスとのコラボ
「Z世代のレンタル率が高い」→SNS重視のコミュニケーション設計
マーケ施策を、“買う前提”ではなく“使う前提”でつくれることが、結果として商品の魅力を引き出す近道になります。
2. 商品開発・改善へのフィードバック
たとえば「返却時に汚れが多い」→素材やカラーの改善
「持ち運びにくい」→収納方法の再設計
「使い方が誤解されている」→説明UIや動画の見直し
このように、リアルな利用データを反映することで“生活者目線の商品設計”が可能になります。
3. ファンベース形成とCRM
繰り返しレンタルするユーザー=将来の優良顧客。
また、レンタル後の購入率やレビュー投稿率を追うことで、体験ベースのLTV戦略も設計できます。
さらに「この商品は◯回以上レンタルされました」というような共感ベースの数字も、ブランドの信頼醸成に寄与します。
ShareEaseのような設計思想がデータに表れる時代
誰かが使い、誰かに手渡す。
使われた記憶がモノに蓄積され、次のユーザーの安心にもなる。
そんなやさしい“モノのリレー”の世界観は、数字にも表れます。
単なる物流データではなく、“誰かの時間を支えた痕跡”としてのデータが、今マーケティングに求められているのです。
おわりに:「売れたか」ではなく「どう使われたか」へ
モノが「所有」されなくなっていく時代。
マーケティングが目を向けるべきは、売上数やコンバージョン率だけでなく、**“ユーザーの生活の中で何が起きたか”**という体験の軌跡です。
そのヒントは、レンタルという小さな循環のなかにあります。
“売って終わり”の情報では届かなかった生活のリアルを、
“貸して返ってくる”ことで見えるようになった今、
マーケターはより深く、ユーザーとつながれるようになったのです。
弊社株式会社TENTでは、お客様とレンタル事業者をつなぐプラットフォームを運営してきたノウハウから、循環型ビジネス/レンタルビジネスの実施に関するご相談をお受けしております。新たに始めるにあたってお困りの点がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。