公開/更新日:12/05/2023
近年では、「モノを気軽に利用したい」という価値観の変化と、「低コストでモノを利用したい」という考え方から、気軽にモノをレンタルするライフスタイルが一般的になりました。
まだまだ可能性に溢れるレンタル事業ですが、これからレンタルビジネスを始める場合は、事前に正しい手順でビジネスプラン(経営戦略)を設計し、利益計画を様々な観点で検討しておくことが大切です。
この記事では、レンタルビジネスで失敗しないために知っておくべき10の基礎知識と、経営戦略を立てるうえで重要となるポイントを解説していきます。
【10ステップで解説!】レンタルビジネスの始め方
レンタルサービスを始める際に必要となる基礎知識、決めるべきことは以下の通りです。重要となるポイントやコツなども解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.レンタルサービスの商材を決める
レンタルビジネスを始める上で基本となり、最も難しいのが「レンタル商材の選定」です。
代表的な商材は「CD・DVDなどのメディア」「車・バイク」などですが、近年では「家具家電」「アウトドア用品」「冠婚葬祭用の着物」なども登場しており、その種類は多岐にわたります。
商材を決める際は、需要だけでなく、仕入れにかかるコストや商材の耐久性などを考慮して選ぶ必要があります。
2.商品の仕入れ方法を決める
レンタルビジネスでは損益分岐点の見極めが大切です。
レンタルビジネスで粗利益を高くするためには、「安く仕入れて、できるだけ多い回数をレンタルで回す」のがポイントです。
レンタルビジネスにおける主な仕入れ方法は、以下の2パターンです。
- メーカーと直接交渉して仕入れる
- 卸売販売業者から仕入れる
他にも、中古品を低コストで仕入れる方法がありますが、「商品状態の見極めが重要になる」、「中古品をレンタルする場合は古物商許可の取得が必要になる」などの注意点があります。
3.集客方法を決める
レンタルビジネスで意外と重要なのが、正しいアプローチでの集客方法です。
商材によってはユーザーがレンタルのメリットを感じにくかったり、そもそもレンタルできることを知らず流入しないケースがあります。そのため、「その商材をレンタルすることのメリット」を適切に伝えるのが集客のポイントとなります。
レンタルビジネスの主な集客方法は以下の3つです。
- Webサイトの制作と広告運用
- SNSの活用
- レンタルサイトへの掲載
特に、WebやSNSを活用した集客は、広告費用を抑えつつ効果的に運用が可能なため、活用次第では開業時からでも集客に成功できる可能性があります。
その他レンタルサイトを活用することで、「こんな商品もレンタルができる」という認知度の向上が狙えます。
弊社では、お客様とレンタル事業者をつなぐプラットフォームとして「カウリルクラウド型レンタルシステム」への出店者を募集していますので、開業の際はぜひ出店を検討してみてください。
4.フルフィルメントサービスの導入を検討する
EC事業におけるフルフィルメントとは、入荷・検品、受注処理処理から梱包・発送するまでの一連のフローを指します。
自社ですべて行うことも可能ですが、商材によってはピッキングや梱包に労力がかかるなど、必要となる業務コストがとても大きいため、フルフィルメント代行サービスを利用するのがおすすめです。
梱包・発送に関する一連のプロセスは、レンタルビジネスの中でも主要な業務ですが、フルフィルメント代行サービスを利用することで集客やマーケティングなどの業務に注力ができるようになります。
5.在庫管理方法を決める
在庫管理に失敗してしまうと、「業務効率の低下」や「業務・顧客分析の精度低下」に繋がるため、レンタルビジネスでは在庫管理はとても大切です。
特に、商品の返送やメンテナンス業務といった、通常のECサービスにはない特性があるため、通常のEC事業と比較して管理する項目が多くなります。
開業当初はエクセルやスプレッドシート上での運用でも問題ありませんが、長期的には業務効率の観点からも「レンタル品在庫管理システム」を導入するのがおすすめです。
レンタル品在庫管理システムについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひお読みください。
6.販売管理方法を決める
商品情報の管理や、レンタル予約、売上、請求情報をどのように管理するかを決める必要があります。
特に、通常のECサービスにはない特性として、「返却日での金額変動」や「耐久期間を超えた場合の廃棄判断」などがあるため、管理が複雑化しやすい側面があります。
こちらも最初はエクセル・スプレッドシートを活用した運用でも問題ありませんが、長期的には「販売管理システム」の導入がおすすめです。
7.メンテナンス手順を明確にする
レンタルビジネスでは、通常のEC事業とは異なる側面として、メンテナンス業務があります。
商品の適切な品質管理には定期的な洗浄・点検が必要ですが、
- 商品ごとのメンテナンス頻度
- メンテナンス作業の実施内容
- メンテナンスの担当者や当番
などの情報を予め明確にしておくことで、メンテナンスにかかる業務を効率化できます。
また、商品のレンタル時にできる施策として、「商品取り扱いの注意点」「お客様側で行うべきチェック内容」を明確にしておくことで、商品の早期故障や不具合の発生を防ぐことができます。
8.保険への加入を検討する
レンタルビジネスでは、商品に損害が発生した場合や、レンタルした商品に起因するお客様への損害などを考慮し、「動産総合保険」「PL保険」などへの加入を検討しましょう。
- 動産総合保険:レンタル・リースしている商品がお客様側の過失により損害を受けた場合の補償。
- PL保険(生産物賠償責任保険):レンタルした商品が原因となって事故・損害が発生した場合の補償。
その他、レンタル・リースした商品が盗難された場合などのケースも考慮しておくと安心です。
9.利益計画を明確にする
レンタルビジネスでは利益計画を事前に明確化しておくことが重要になります。
通常のEC事業では、「仕入れ価格と販売価格の差」で利益を生み出し、手数料や送料などの販売管理費を差し引いたものが収益となります。
レンタルビジネスの場合は、1つの商品が複数回以上レンタルされることで初めて利益が生まれるため、
- 市場価格がどのくらいか
- 適切なレンタル価格の設定
- 何回までレンタルできるか(=限界レンタル回数)
がポイントになります。
なお、サブスクリプション型の事業となる場合には、「平均利用期間」「最低/最大契約期間」「レンタル総額(最大契約期間終了時点)」など、さらに多くの要素を複合的に判断する必要があります。
10.レンタル品の中古品販売を検討する
レンタルビジネスでは、限界レンタル回数を超えた商品を、レンタル中古品として販売することが可能です。
レンタル中古品を販売することで、企業とユーザーに以下のようなメリットが生まれます。
【企業側】
- 新たなチャネルで新規顧客を獲得できる
- 自社、レンタル商材の知名度が上がる
- 新商品を導入するコストを軽減できる
【ユーザー側】
- 格安で中古品を購入できる
レンタル中古品として販売をする場合は、予め販売ルートの選定や価格帯を決めておくことで、利益計画が立てやすくなります。
なお、メーカーや卸売業者などから新品の商材を仕入れた場合は、レンタル品を中古品として販売する場合でも「古物商許可」の取得は不要です。
基礎知識と手順を抑えて、レンタルビジネスを成功させる
- レンタルサービスの商材を決める
- 商品の仕入れ方法を決める
- 集客方法を決める
- フルフィルメントサービスの導入を検討する
- 在庫管理方法を決める
- 販売管理方法を決める
- メンテナンス手順を明確にする
- 保険への加入を検討する
- 利益計画を明確にする
- レンタル品の中古品販売を検討する
近年ではモノを所有することよりも、モノを利用することを重視する考え方が広まり、コストの観点からもレンタルサービスの利用者が大幅に増えています。
「普段使わないモノを気軽に使いたい」「気になるあの商品をお試しで使ってみたい」というユーザーに人気のレンタルサービスですが、ビジネスを成功させるためには、綿密なビジネスプランの検討が大切です。
弊社では、お客様とレンタル事業者をつなぐプラットフォームを運営してきたノウハウから、レンタルビジネスの開業に関するご相談をお受けしております。レンタルビジネスを新たに始めるにあたってお困りの点がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。