買わせる前に“好き”になってもらう。体験が営業の本質を変える。
営業活動の目的は、商品の魅力を伝え、理解してもらい、納得して「購入」という行動へつなげることです。
そのために資料を整え、デモを見せ、ロジックで説得する──というアプローチが一般的でした。
しかし、いま**“貸す”という行為そのものが、営業の本質を塗り替えつつあります。**
使ってもらうことで、言葉を尽くすよりも早く、深く、相手の心に届く。
それが、レンタルやサブスクによる「ブランド体験」の可能性です。
■ 試してから買うのが当たり前の時代に
「買う前に試す」ことは、家電・家具・アパレル・アウトドア用品など、高単価商材において特に重要な購買行動になっています。
このニーズに応える形で広がっているのが、試用型のレンタルや短期サブスクサービスです。
ユーザーからすれば、
- いきなり高いお金を出す不安がない
- 自宅や日常環境で本当にフィットするかを確かめられる
- 使ったうえで選べる安心感がある
企業から見れば、
- 未体験のユーザーとの最初の接点を持てる
- 使用体験を通じたフィードバックが得られる
- 好意形成されたうえで、販売に誘導できる
というように、営業の“逆回転”が機能し始めているのです。
■ 商品説明より“手触り”が説得力を持つ
百聞は一見に如かず。百見は一体験に如かず。
モノの価値は、スペックや広告コピーだけでは伝えきれません。
たとえば、あるアパレル企業では、短期レンタルを通じて「一度袖を通す」体験を提供することで、
従来のEコマースではリーチできなかった層に購入意欲を生むことに成功しています。
「試せる」ではなく「実際に使った」ユーザーは、もうすでにブランドの中にいます。
その体験は、展示会の数分よりも、YouTube広告の30秒よりも、ずっと濃密で、記憶に残る営業ツールになるのです。
■ レンタルが購買の“逆導線”になる
実際、レンタルやサブスクを体験導線として活用する企業は、次のような工夫をしています。
- 「気に入ったらそのまま購入」できる設計
- レンタル料の一部を購入時に割引するプログラム
- 使用期間中にアップグレード可能な柔軟なプラン設計
- 使用中に提案される相性の良い“次の商品”
こうした構造を設けることで、体験から購入までが自然なストーリーとしてつながっていきます。
つまり、「貸す」は単なるマーケティングではなく、購入への“前提づくり”そのものになるのです。
■ 体験を通じて“ファン”が生まれる
ShareEaseのような世界観──「貸すことを特別な共有体験とする」考え方は、この構造をさらに深化させます。
ただの試用ではなく、「誰かが使ったモノを、次に自分が引き継ぐ」感覚。
それは単なる消費とは違う、共感や物語のある購入体験へとつながっていきます。
さらに、ユーザーがSNSで体験を発信すれば、それは信頼度の高い“共感型コンテンツ”として、他の見込み顧客への訴求力を発揮します。
■ “営業=貸す”の時代へ
従来の営業では、「売れること」が目的でした。
しかし、体験型のビジネスでは、「好きになってもらうこと」がゴールになります。
レンタルとは、売る前に“好き”をつくる手段。
営業が資料とプレゼンで行っていたことを、今は“モノが勝手にやってくれる”のです。
売ることだけが営業ではない。
“貸す”というアクションは、最強の営業施策になり得る。
そう考える企業が、これからのブランド戦略で優位に立つことになるでしょう。
弊社株式会社TENTでは、お客様とレンタル事業者をつなぐプラットフォームを運営してきたノウハウから、循環型ビジネス/レンタルビジネスの実施に関するご相談をお受けしております。新たに始めるにあたってお困りの点がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。