公開/更新日:2/09/2024
「レンタルビジネスを始めてみたものの、売上が安定しない」
「新規顧客の獲得に注力しすぎて、リピーターの獲得ができていない」
レンタルビジネスを始めてみたものの、リピーターが思うように増えずに伸び悩んでいませんか?
新規顧客の集客を優先するあまり、既存顧客への「追客」ができていないケースも多いです。
EC領域におけるレンタルビジネスで効率良く売上を伸ばしていくためには、新規顧客の集客も大切ですが、既存顧客にリピーターとして復帰してもらうことも大切。
この記事では、レンタルビジネスで売上を伸ばすために大切なリピーターの獲得方法を、具体的な施策と合わせて解説していきます。
「リピーターが増えない原因」「リピーター獲得のためのポイント」なども併せて解説していますので、ぜひレンタルビジネス運営の参考にしてみてください。
リピーター獲得、できていますか?
レンタルビジネスのみならず、EC販売や小売店など、すべてのビジネスにおいてリピーターの存在はとても重要です。
80:20の法則(パレートの法則)を使って説明すると、ビジネスにおける売上の80%は、20%のリピーターが占めるのが理想的であるとされています。
パレートの法則:「あらゆる経済活動において、特定の20%の要素が、全体の80%を占めている」という経験則のこと。
売上を伸ばしていくためには、「ユーザー数」「レンタル単価」「レンタル回数」の指標を達成していく必要があるため、新規顧客の獲得に注力するだけではなく、既存顧客も併せて獲得していくのが理想的です。
リピーターが増えるメリット
具体的に、リピーターが増えると事業者側には以下のようなメリットがあります。
- 集客コストを削減できる
- 安定的な売上の確保につながる
- 新規顧客の獲得につながる
それぞれ詳しく解説していきます。
集客コストを削減できる
リピーターは一度レンタルを体験したことがあるユーザーであるため、「レンタルするメリット」「レンタル体験のスムーズさ」などを体感しており、新規顧客と比較してもコンバージョンを達成しやすいです。
そのため、新規顧客と比較して集客に必要とされるコストが軽減されます。
安定的な売上の確保につながる
レンタルビジネスは、1つの商品が複数回以上レンタルされることで、初めて利益が生まれるビジネスモデルです。
リピーターとしてレンタルを繰り返してくれることで、商品のレンタル回数が増加し、安定的な売上の確保につながります。
また、レンタル体験のある既存顧客は、新規顧客と比較して
- レンタルサービスやショップそのものを気に入っている
- レンタルサービスの勝手が分かっている
など、レンタルサービスそのものに対してポジティブな感情を抱いているため、一度あたりのレンタル単価も上がりやすいです。
ある程度のリピーターが育てば、継続的にレンタルをしてくれる可能性もあがるため、レンタル単価や利益率の向上につながり、収益や需要の予測もしやすくなります。
新規顧客の獲得につながる
集客的な側面として、リピーターはファン化させることで集客効果を生み出します。
レンタル体験があり繰り返しレンタルをしてくれるリピーターは、レンタルサービスやショップそのものを気に入ってくれている、いわばファンの状態です。
レンタルサービスに対してポジティブな感情があると、自然と「SNSでシェアする」「知人や家族、同僚などに勧める」などのアクションが起きやすくなります。知人からの勧めは「リアルな消費者の声」として自然と受け入れられる傾向にあるため、結果的に新たな新規顧客を獲得できる可能性が高まります。
【原因追求】リピーターが増えないのはどうして?
そもそも、レンタルビジネスでなかなかリピーターが増えないのはなぜでしょうか。
レンタルビジネスで効果的にリピーターを獲得していくためには、原因をしっかり分析し、リカバリーしていく動きが基本です。
計画的に施策を打っていくことで、自社がどのようなアプローチで追客をしていくべきかが明確になり、合理的にリピーター獲得に向けた動きができるようになります。
一般的に、リピーターが増えない理由には以下の3つがあります。
- レンタル体験が良くなかった
- レンタル体験は良かったが、忘れられてしまった
- レンタル体験が可もなく不可もない(=インパクトが少ない)
それぞれ詳しく解説していきます。
1.レンタル体験が良くなかった
「レンタル体験そのものに不満・ストレスを感じた」という場合で、いわゆる顧客満足度が低い状態です。
最も懸念すべき、改善すべき原因ですが、原因自体も目に見えやすいので、対策はしやすいです。
例えば、以下のようなケースです。
- レンタルまでの導線にストレスを感じる(サイトが使いにくい、見にくい、挙動がおかしいなど)
- レンタルした商品が汚れていた・破損していた
- 梱包が丁寧ではなかった
- 決済周りでトラブルが起きた
- その他、顧客対応などが良くなかった
また、「レンタルしてみたら思っていたのと違った」というケースも多いです。レンタル体験に対する不満は、多くの場合レンタル前と後にユーザーが感じるギャップによって発生します。
このギャップを埋めるためには、
- ユーザーの疑問点は事前に解消しておく(よくあるご質問など)
- 商品説明ページの実態との乖離を少なくし、説明不足をなくす
などの取り組みを行い、レンタル体験に対する期待値をコントロールすることが大切です。
また、事後にアンケートを実施する/SNS上の評判を確認する/サイト上で投稿してもらうなど「利用ユーザーの声」を集計し、マーケティングへ活かしていくのもよいでしょう。
2.レンタル体験は良かったが、忘れられてしまった
せっかくレンタルしてくれたものの、「印象に残らず、忘れられてしまった」というケースです。
商材によりますが、レンタルのサイクル(頻度)は高くない場合が多いため、たとえレンタル体験が良かったとしてもリピーターとして戻ってくる頃にはサービス名や会社の名前を忘れてしまい、次につながらない場合があります。
これらは、「メルマガ配信」「LINE公式アカウント」などを通じてユーザーと定期的に繋がることで、思い出してもらうきっかけづくりになります。
3.レンタル体験が可もなく不可もない
ユーザーが再びレンタルサービスへ戻ってくるためには、「何か明確な理由」が必要です。
レンタル体験が可もなく不可もない場合は、ユーザーは次回レンタルを検討する際もふわっとした理由でしか選ばないので、ファン化しづらく継続しにくいです。
例えば、「〇〇〇のゴルフクラブが欲しい」と考えインターネットで購入に至ったとしても、理由を聞かれると他のサイトと比較してみて、
- 「価格が安かったから」
- 「写真が整っているから」
- 「掲載情報が詳しかったから」
などの理由で購入に至るケースも少なくありません。
これらの基本的な購入行動に打ち勝つためには、以下のような付加価値を加えることで、次につながりやすいです。
- 急に必要だったからレンタルしたが、発送が早くて助かった
- 自宅で受け取るまでの対応がとても丁寧だった
- 返却が手間がかからずストレスが少なかった
【施策を行う前に】リピーターを増やすためのCPM分析
レンタルビジネスで効果的にリピーターを獲得していくためには、闇雲にメルマガ配信やSNS発信に取り組むよりも、「どのようにリピーターを増やしていくのか」分析を通じて戦略やアプローチを固めるのが大切です。
リピーターを増やすための1つの施策として、CPM分析が有効です。
CPM分析とは、「Customer Portfolio Management」の略で、ユーザーの購買行動を基にユーザーを10の属性にグループ化し、それぞれのグループに対して顧客育成・クロージングを行っていくことを指します。
具体的には、「レンタルまでの行動」「レンタル回数(=頻度)」「前回レンタルからの経過日数」を基に、すべてのユーザーを以下の分類にグループ化していきます。
- 初回現役客
- よちよち現役客
- コツコツ現役客
- 流行現役客
- 優良現役客
- 初回離脱客
- よちよち離脱客
- コツコツ離脱客
- 流行離脱客
- 優良離脱客
こうすることで、例えば
- 初回離脱客:レンタル時のコミュニケーションを強化する
- 優良離脱客:特別感のあるサービスを提供する
などのような施策が明確になり、どのようなアプローチを行うべきかが分かるようになります。
さまざまなユーザー層が存在するため、すべてのユーザーに対して同じ方法でアプローチをするよりも、それぞれのグループに合わせてアプローチしたほうが、高い効果を発揮するといえるでしょう。
リピーターを増やすための施策7選
レンタルビジネスで効果的なリピーター獲得の方法は以下の通りです。
1.メルマガを配信する
メルマガ配信は古くからある手法ですが、「セグメントごとに配信できる」「配信時間を細かく設定できる」というメリットがあります。
また、チラシやダイレクトメールと異なり制作費用が発生しないため、低コストでスタートできるのもポイントです。
- おすすめ商品のPR
- セール情報の配信
- 誕生日メールの配信
- キャンペーンの告知
- クーポンの配信
などと組み合わせることで、ユーザーへの定期的なアピールとなり、自社を思い出してもらうきっかけづくりになります。
2.LINE公式アカウントを活用する
LINEは日本国内における主要な連絡ツールとして活用されているため、アクティブユーザーの数も多く、LINEを通じて老若男女幅広い層に対してアプローチができます。
LINE公式アカウントには「ショップカード機能」「クーポン配信機能」などの便利な機能もあり、無料プランでもメッセージを月間1000通まで送信できます。(2023年5月現在)
LINE公式アカウントは、集客や既存顧客へのアプローチを目的としたツールとして開発されているため、最適化された便利な機能を開発コストなしで運用でき、無料で始められるので開発初期からでもスタートしやすいのがポイントです。
3.SNSを活用する
SNSを通じて既存顧客と繋がることで、既存顧客の「ファン化」につながります。
SNSを通じてキャンペーン企画を実施したり、コメントに対してリプライを行うことでユーザーと親しみやすくなり、ユーザーが積極的にレンタルサービスとの関わりを持ってくれます。
拡散性が高いので、新規顧客へのアプローチにつながるなど、副次的な効果もあるのがポイントです。
4.クーポンを発行する
クーポンの発行は、リピーター獲得のみならず、「新規顧客の獲得」「利益率のアップ」などにも繋がります。
例えば「紹介クーポン」を発行することで新規顧客の獲得にも繋がるほか、クーポンがあればレンタル予定の商品よりも上位の商品をレンタルする「アップセル」や、併せて他の商品もレンタルしてもらう「クロスセル」へのきっかけづくりにもなります。
レンタル頻度などの購買行動を分析し、ユーザーにとって最適な有効期限を設定すると、より効果も高いでしょう。
5.サービスを充実させる
他のEC領域と少し特性が異なるレンタルサービスですが、レンタルならではの特性や特徴を活かしたサービスを充実化することで、リピーターの獲得につながります。
例えば、レンタルサービスでは、「返却」という作業があります。
ユーザー側にとっては、以下のような心理が起きやすいです。
- 「期限までに返却しなくてはいけない」
- 「いざ返却となると、発送がめんどくさい」
- 「思ったよりいい商品だったので手放したくない」
そこで、
- レンタル自動延長サービス
- 返却手段の選択肢を増やす
- 梱包を楽にする
- レンタル後購入(Rent to own)を始める
などの取り組みを行うことで、他社サービスとの差別化にもなるため、ユーザーにとって自社を選ぶ理由になるだけでなく、利益率の向上も見込めます。
「レンタル後購入(Rent to own)」については以下の記事でも解説していますので、ぜひ読んでみてください。
6.トラブル事例などを考慮した改善
ユーザー離れを起こさないために、ユーザーに寄り添って「顧客満足度を上げる」という取り組みも大切です。
レンタルならではの特性や特徴、実際に発生したトラブルなどを考慮し、施策を検討していくことで、ユーザーにとっても親切なサービス設計になります。
例えば以下のような施策があります。
- 返却プロセスをわかりやすく案内する
- キャンセル規定を柔軟にする
- サポートを充実化する
ユーザー側でアクションが必要となる返却をスムーズにするために、丁寧な手順書の同封や、返却における導線を工夫してみたり、疑問点やトラブルが発生した時でも迅速にコミュニケーションが取れるようなチャットボットの整備などが挙げられます。
7.レンタルECモールの併用
あらかじめサービスや機能などが整備されたレンタルECモールを導入するのもおすすめです。
レンタルサービスにおいてリピーターを獲得するためには、「ユーザーのレンタル体験を向上させる」「顧客満足度をあげる」「付加価値を提供する」というのが、1つの軸となります。
弊社が運営するレンタルECモール「カウリル」では、様々なジャンルのレンタル事業者が集まって、出品・出店する場を提供しています。
- 【レンタル体験向上】ユーザーにとって使いやすいUI設計や、カレンダーによる直感的な予約
- 【顧客満足度向上】スムーズな発送と手厚いユーザーサポート
- 【付加価値の提供】レンタル後購入(Rent to own)機能の標準装備
という特徴が揃っているので、効率的なリピーターの獲得にも繋がります。
弊社ではお客様とレンタル事業者をつなぐプラットフォームとして「カウリル(クラウド型レンタルシステム)」への出店者を募集しているので、併せて出店を検討してみてください。
レンタルビジネスのリピーターを増やし、安定した売上を実現をする
レンタルビジネスにおけるリピーター獲得のポイントまとめ!
- まずは「リピーターが増えない原因」を明確にする
- 顧客との繋がりを増やすためには「メルマガ」「LINE公式アカウント」「SNSの活用」が有効
- 顧客の満足度を上げるには「クーポンなどの特典」「サービス拡充」「改善実施」が有効
- レンタルECモールも積極的に活用してみる
レンタルビジネスで安定した売上を実現していくためには、「リピーターの獲得」は不可欠です。
実際の利用ユーザーには「どのような購買行動が多いのか」「どのようなユーザーが主要なのか」をしっかり分析し、それぞれのグループに対して適切な方法でアプローチをしていくことが大切です。
「メルマガ」「LINE公式アカウント」「SNSの活用」は、ユーザーとの繋がりを増やす点で効果的です。
リピーターを取りこぼさないためには、「付加価値の向上」「顧客満足度」も大切ですので、しっかり対策していきましょう。
弊社では、お客様とレンタル事業者をつなぐプラットフォームを運営してきたノウハウから、レンタルビジネスの開業に関するご相談をお受けしております。レンタルビジネスを新たに始めるにあたってお困りの点がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。