古物営業法と本人確認──レンタルビジネスが押さえるべき法的ルール

古物営業法と本人確認──レンタルビジネスが押さえるべき法的ルール

レンタルビジネスを始める、または拡大する際には、「本人確認」の仕組みと「古物営業法」を含む各種法的ルールへの対応が欠かせません。この記事では、古物営業法に関する誤解の整理と、レンタル対象物に応じた適用法律の概要をまとめ、レンタル事業者が押さえるべきポイントを解説します。

古物営業法とレンタルビジネスの関係

古物営業法は「古物(=一度使用された物品)」を売買・交換する事業者に適用される法律です(参考:古物営業法 e-Gov法令検索)。しかし、レンタル業も仕入れの経路によってはこの法律の対象になります。

古物営業許可が必要なケース

  • 一般の個人から物品を買い取ってレンタル利用する場合
  • フリマアプリやリユース市場などから中古品を購入してレンタルに活用する場合

これらは、古物営業法上の「古物商」として登録・許可が必要です。

 古物営業許可が不要なケース

  • メーカーや正規販売店などの事業者から新品を購入し、それをレンタルする場合
  • 自社製品を製造し、それをレンタル提供する場合

新品を起点とするレンタルの場合、古物営業法は適用されません。ただし、中古状態になった物品を販売する(二次流通に乗せる)場合には別途、古物商許可が必要となることがあります。

本人確認の必要性とその目的

レンタルにおいて「本人確認」が必要とされる主な理由は以下の3点です:

  1. 不正防止(なりすまし、未返却、転売)
  2. 契約トラブル時の身元特定(損害賠償・訴訟リスク)
  3. 古物営業法に基づく記録義務(仕入れ元が個人の場合)

レンタルでは「貸し出し」行為そのものに直接法律で本人確認を義務づける規定はありませんが、物品や用途によっては、別の法律に基づいて確認が求められるケースがあります。

レンタル品種別の適用法律と本人確認要件

レンタカー(自動車の貸渡)

特定小型原動機付自転車(電動キックボード等)

  • 適用法令道路交通法道路運送車両法
  • 本人確認の義務:16歳以上の利用確認(年齢確認)
  • 登録要件:ナンバー取得、保険加入、使用者登録

高度管理医療機器(例:酸素濃縮器、CPAPなど)

携帯電話(スマートフォン)のレンタル

🎮 通常の生活用品・レジャー用品・家電など

  • 適用法令:明確な業法なし(ただし消費者契約法・民法等の一般法が適用)
  • 本人確認の義務:必須ではないが、事業者の自主的リスク管理として重要

本人確認をどう行うか?

本人確認の方法としては以下が一般的です:

  • 公的身分証(運転免許証、マイナンバーカード等)の写真提出
  • 本人名義のクレジットカードとの照合
  • 携帯電話番号のSMS認証
  • 配送先住所と本人情報の一致確認

BtoCレンタルにおいては、不正防止とトラブル対応の観点から、これらのいずれかを組み合わせることが多くなっています。

おわりに

レンタルビジネスは、物品種別・仕入れ経路・対象ユーザーによって適用される法律が異なります。特に「本人確認」と「古物営業法」については、正しく理解し対応することが、トラブル回避と信頼構築に直結します。

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